■企業概要
同社の前身である平賀義肢製作所の創業者・平賀又右エ門氏は、自ら大腿切断の重傷を負い不自由な生活を送った経験から、「もっと良い義足をつくりたい」という思いを抱き、1945年に同製作所を創業。快適に体を動かすための工夫が随所に施された義足は、「又右エ門の義足」と呼ばれ多くの人に愛用され、高い評価を得ました。2代目で現会長の平賀邦三氏は、17歳から初代の指導のもと義足づくりを始め、約50年のキャリアを通して、常に最新の技術と知識を積極的に取り入れ、義肢装具の近代的な製作技術を確立。義足の先進技術であった「骨格構造義足」を岩手県で最初に導入し、骨格義足認定工場の指定をいち早く取得できたのも、邦三会長の功績です。創立70周年に先駆けて2014年12月、社名を株式会社P.O.イノベーションに改称。現在、義肢、義足の製造においては県内で最大級のシェアを誇っています。
■社風
コルセットや装具、義肢、車イスの製作現場では、明るく、楽しく、笑顔で作業に取り組むスタッフの姿が見られます。
■新人研修
採型訓練や運転技術指導、社会人としてのマナーについて研修します。新人でもわかりやすいようにマニュアルに基づいた丁寧な指導を心掛けています。
ーふじポンー
御社の経営理念をお聞かせください。
ー見木代表取締役ー
私たちが日々提案している義肢装具、車イスは、お客様の体の一部であり、お客様の生活の質を支える役割を担っています。最高の製品・サービスを常に提供することが、私たちの第一の使命です。そのために重要なのが、技術と人間性を備えた人づくり、そして革新的なアイデアを形にして、新たな感動を生み出すチャレンジ精神だと思います。最高の技術と知識で、広く社会に貢献していきたいと考えています。
ーふじポンー
岩手県内をメーンとしたお仕事ですか。
ー見木代表取締役ー
以前は仙台や八戸などの病院や施設を周り注文を受けていましたが、義肢・義足等の装着で違和感や不具合があった場合などは迅速に対応できるように、現在は岩手県内に限定し注文に応じています。
ーふじポンー
御社では何人くらいの方が働いていますか。
ー見木代表取締役ー
従業員は30名で、そのうち義肢装具士が15名となっています。平均年齢は40歳で、全体の4割が女性です。障害を持っている社員も活躍しています。
ーふじポンー
御社が強みとしているところを教えてください。
ー見木代表取締役ー
県内では最も多くの愛用者数と社員数を抱え、さまざまな要望に応えることができるほか、創業70周年を超える歴史の中で培ってきたノウハウをもとに、多様な提案を行うことが可能です。
ーふじポンー
先進技術の取得や外部との連携などにも取り組まれていますか。
ー見木代表取締役ー
義肢、義足等の技術については、関東や関西が国内の先進地になっており、東北は技術的に遅れている面があります。そこで当社では、同業者のもとへ社員を研修に派遣し、先進技術の導入に努めているところです。また、岩手医大と義足、コルセットの共同研究を進めており、成果を上げています。
ーふじポンー
これからの抱負や目標などをお聞かせください。
ー見木代表取締役ー
現状に甘んじることなく、これからもチャレンジャーであり続けたいです。CADシステムや3Dプリンターなど最新のシステムを積極的に取り入れ、より良い製品づくりを目指しています。昨年10月に岩手で開催された全国障害者スポーツ大会では、当社の義足を使った選手が優勝しました。今後も、スポーツ義足の技術提供などで、障害のある選手のサポートを続けていきたいと思っています。